スクリーンショット 2018-11-24 16.39.21

GNHは4つの柱からできています。まずは見てみましょう。
出典:http://www.gnhcentrebhutan.org/what-is-gnh/the-4-pillars-of-gnh/(日本語訳は弊社)

 

 

 

  • 「良い統治」
    公正に統治されたブータンが大切な理由は、私たちが活動するための土台になっているからです。政策や施策がGNHの価値に即して作られていくと同時に、それを作る方法論も政策の中に組み込まれているのです。

うーん、言いたいことはなんとなくわかりますが、難しいですね。方針を示すリーダーである国王や政治家がいくら良くても、それを運用するための仕組みが崩れていては話にならないということでしょうか。

  • 「継続可能な社会経済の発展」
    GNHのもとでは経済発展とは、それぞれの世帯へ社会的にも経済的にもメリットを与えるものでなければならないし、自由な時間や娯楽に関しても大切なものにしていかなければならない。

これは豊かになるために働け!ではなく、自分の時間や家族との時間もちゃんと考慮にいれなければならないということでしょうか。ブータンの幸福観をいう時に、周りの人たちが幸せであることが、自分の幸せという表現をします。西洋的な考えとして、ちょっと前の日本は「個人の幸せの追求」をイメージして発展してきましたが、個人の幸せってそんなに追求できないと感じています。そもそもの「西洋は個人主義」というのも疑わしいなと思っています。日本人が追求した個人主義と西洋の個人主義は同じ意味だったのか。ちょっと哲学的な話になるので、これは置いておいて、自分の周りの幸せが自分につながっているということですね。

  • 「文化の保存と活用」
    ブータンの文化を保存することが、幸福度をあげることにつながると信じています。文化的な柔軟性、それ自体国民の文化的なアイデンティティや知識、実践を育てていくものですが、その柔軟性が外の文化や基準から生じる挑戦や難しさを克服する力にもなるのです。

自分の文化とその外側の基準を比較していることが面白いと思いました。ブータンは人口75万人ほどの国で、沖縄県の半分の人口です。しかし、複数の民族がそこで生活をしています。日本からみるとブータンといえば、こんなイメージというような単一な感じですが、実は多彩なのです。ネパール系の人たちと歴史的にも、また今でも問題を抱えています。さまざまな資料に、ブータンからネパール系の人たちが難民としてネパールに出国していることが示されていますが、実際はどのような背景があったのでしょうか。今回のプロジェクト地は、ネパール系の人たちが多く定住しているチラン県です。彼らと時間をともにしながら、ブータンの背景についても勉強していきます。

  • 「環境の保全」
    環境保全はGNHにとても重要な考えです。私たち自身も使い、大事な輸出資源になっている水源や水力発電を生み出します。またそれよりも大事なのは、自然の中にある、さまざまな色、光、汚染されていないそよ風、無音すら、私たちは感じ、癒されるのです。そのような美的経験を生むのが自然なのです。

ブータンの法律で国土の60パーセント以上の森林を残さなければならないということになっています。木材を購入するためには逐次申請が必要だということです。出口と入口をしっかり管理していることがわかります。ヒマラヤ山系からインドまでの低い土地が国土のブータンならではの高低差を利用した水力発電は、ブータン1の輸出品です。水力発電所の建設風景をみましたが、日本のようなダムではなく、川横に穴を掘り、地下に流水を誘導して、タービンを回すものです。できあがれば、一見では水力発電所とはわからなくなる感じでした。開発は国家を維持するために必要になるのでしょうが、その開発への配慮もあるようです。

 

写真は街の看板に貼られた民主主義の啓蒙のためのポスターです。公用語である英語とゾンカ語の2種類ありました。