平成26年に30年近く認可外保育園を運営している団体から依頼がありました。
最初は毎年、毎年経営が大変だ!というものでした。保育に対してとても熱心な園長さんがリードしている保育園で、子どもたちへの対応はとてもよい!と園に子どもを通わす親たちには好評の保育園。しかし財務上いろいろ問題を抱えながら、なんとか経営しているようでした。

といいながらも、「認可保育園」になることに、消極的でした。「行政からの管理がある」とか、そもそも「認可保育園になれない」という考えを持っていました。しかしその考えに至った根拠があやふやな感じに聞こえました。調べてみると、全国にはとても自由に認可保育園を運営している法人があることを知り、そのことを共有しました。しかし、未知への不安があるようでした。そこで質問をしました。「10年後も保育園が続けていかせたいですか?」唐突な質問に虚をつかれた感じでしたが、その後「10年後も続けていきたい」という答えをもらい、保育園が継続する形をお手伝いすることとなりました。

まずは、組織内の意識を統一させなければいけません。30年続けていきている方法と違うことをやろうとしているわけですから、なんらかの歪みが内部に出てきます。1年ほどかけて、ワークショップを何度も重ねて、父母たち、保育士たちそして園長と話し合いを積み上げてきました。その話し合いでおおよそのコンセンサスは「認可化」でした。
であれば、行政への働きかけを行わなければなりません。市庁舎やその周辺の人たちから情報収集を行い、どのような形であれば、認可保育園になれるのかその形を探りました。しかし、認可保育園になるのはそんな簡単なものではありません。保育園側が準備を重ねても、世の中の流れば違えば、そのような機会は生まれてこないわけです。

しかし、風は「待機児童ゼロ」という施策を運んできました。沖縄県は都市以外の地域としては例外的に待機児童が多い地域です。その風を見事つかむことができ、認可保育園になるべく準備を進めています。(平成28年5月現在)

振り返ると「10年後も続けていきたい」という園長さんの言葉が、この動きの半分以上を成功へと導いたと考えています。ここがあやふやになれば、多くの人たちが一つの方向に進むことができなかったと思います。そして、内部的な「準備」が、好機の前にできたことも大切だと思います。時流は僕たちではコントロールできませんが、自分たちの考えは自分たちでコントロールできます。自分たちの考えを自分たちで管理できるようになった時に、チャンスが来るとつかむことができるのだということを目の当たりにしました。

この動きの中で、微力ながら認可化への動きをお手伝いさせてもらいました。